2025.10.16
ニュース10月7日(火)、INGEM & ToMMoセミナーシリーズ第42回を開催しました
今回は、和田 健彦 教授(東北大学多元物質科学研究所、INGEM 遺伝子創薬グループ)が『標的RNAの高効率触媒的切断機能を有するキメラ人工核酸による
和田先生は、従来の核酸医薬が抱える標的RNAとの1対1結合による効率の限界や、オフターゲット効果による副作用といった課題に対し、触媒的にRNAを切断できる新しい人工分子「キメラ人工核酸」を開発しています。キメラ人工核酸は、RNAの位置選択的切断を繰り返すことで、少量でも高い薬効を示すことが特徴です。
講演では、この技術を応用した膵がん悪性化抑制薬の開発について紹介されました。特に、がん細胞内での標的RNAの選択的分解によって、がんの増殖や転移を抑える可能性が示され、次世代核酸医薬の新たな方向性が提示されました。また、COVID-19治療薬開発への応用についてもふれられました。
和田先生は講演の締めくくりとして、「キメラ人工核酸を応用し、がん再発を抑える新しい核酸医薬の実現を目指して研究を推進していきたい」と語り、「東北大学発の新しい方法論として、また分子生物学のツールとして、
ハイブリッド形式で開催したセミナーには、ToMMo、INGEMのみならず、学内から多分野の教職員、医学系研究科の学生あわせて53名の参加があり、質疑応答では活発な意見が交わされました。
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