2024.8.8
ニュース7月19日(金)、INGEM & ToMMoセミナーシリーズで京都大学の黒田知宏先生が講演されました
今回は、京都大学医学部附属病院の黒田 知宏 教授をお迎えし、『改正次世代医療基盤法の使い方』をテーマに講演いただきました。
黒田先生は、京都大学医学部附属病院のカルテの電子化をはじめ、情報工学を活かして、IoTを活用した記録等の自動化や情報通信技術を用いた医療現場の革新等の医療DXの推進や、次世代医療基盤法による利活用に取り組まれています。
わが国の医療データには、国民皆保険制度等により形成される匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)と、学会等が整備する疾患別レポジトリがあります。NDBの情報は悉皆性が高いのに対してレセプトデータのみで、疾患別レポジトリの情報は非常に深く多様性があるのに対して、悉皆性がありません。NDBのデータや、疾患領域ごとにペンシルビルのように立っている疾患レポジトリのデータをつなぐことが求められます。このために、新たに「ペンシルビルを結ぶ」役割をもつ次世代医療基盤法が立法され、NDBと疾患別レポジトリの医療情報をつなぎ、利活用できるようになりました。さらに、2024年4月に改正法を施行。仮名加工医療情報が新設されました。NDBと介護DBや死亡情報をはじめとした公的DBとの連結も着々と進んでいます。
また、欧州のEHDS(欧州健康データスペース)では、どの国に滞在中でも電子処方箋を発行できるようなシステム構築の実現が進められており、日本の医療情報もEHDSと連結して国際化する可能性や、そのための課題についても語られました。
ハイブリッド形式で開催したセミナーには、ToMMo、INGEMのみならず、学内から多分野の教職員、医学系研究科の学生、約70名の参加があり、質疑応答では活発な意見が交わされました。
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